おはぎには【半殺し】がある!?
・・・お彼岸について
お彼岸は年に2回ある。
「お彼岸にお墓参り」という文化は、仏教徒が多い他の国と比べても日本だけの独特の風習のようです。
2017年の秋分の日=彼岸の中日は9月23日(土)ご先祖さまを供養する日なんですね。お墓参りをして亡くなった方をしのびながらゆっくり過ごす日としたいですね。
・・・さて、本題の【おはぎ】のお話です。
お彼岸のお供え物といえば「おはぎ」ですが、おはぎにまつわる物騒なウワサがあるのです。なんと、おはぎのことを「半殺し」と呼ぶ地域があるんだとか……!これは何か、おはぎに恐ろしい歴史があるのか気になるので調べてみましたよ。
・・・半殺しとは
おはぎを作りながら「今日は半殺しにしようか……」そんな物騒なことを口走る人々は、徳島県と群馬県の一部の地域にいます。それも、主な世代はおばあちゃん、おじいちゃんだというから驚き。徳島県や群馬県には奇怪的な年配者が多いのでしょうかねえ。
おはぎのつぶつぶご飯、おいしいですよね!なめらかなお餅とはまたちがった食感を楽しめます。しかし、もち米をつぶすことを「半殺しにする」と言うとは……。この言葉のお遊びはユーモアがあって笑ってしまいます。
・・・全殺しもある
このなめらかなお餅にあんこをまぶしたのが「あんころ餅」。和菓子の中でも、小玉にしていて可愛い「あんころ餅」は、「全殺し」でつくられるアブナイ和菓子なのです。ちなみに「全殺し」だけでなく、「皆殺し」「本殺し」と呼ぶこともあります。怖いですね~!
さらに、地方によってはお米のつぶれ具合ではなく、あんこの状態で呼び分けることもあるのです。小豆の皮、豆の粒が残っている粒あんのおはぎを「半殺し」、こしあんのおはぎを「本殺し」と呼ぶこともあるのですよ。地域によって定義が変わるのはおもしろいですね。
今でも、徳島県と群馬県の一部の地域では、郷土和菓子の「半殺し」「半殺し餅」を食べますよ。私徳島生れ。スーパーのパッケージの「はんごろし」の文字と、愛らしいキャラクターそして品名の部分には表記された「おはぎ」のバランスに、クスクスと笑いが湧いてきます。
・・・民話にもなった「半殺しと本殺し」
東北地方には「半殺しと本殺し」にまつわる民話が言い伝えられています。地域によって細かい内容に違いはありますが、大筋は次のようなものです。
江戸からはるばる訪れた地で、寝床に入る準備をしていた主人公は、泊めてもらった家の人が「明日は半殺しにしようか、本殺しにしようか」と相談しているのを聞いてしまいます。
「自分が半殺しの目に合うのではないか……」と慌てふためく主人公。眠れぬ夜を過ごしますが翌朝、予想に反して、おいしいおはぎをごちそうになるというものです。ウフフ。
・・・ぼたもちとおはぎの違い(ハマってしまいました)
「ぼたもち」と「おはぎ」の違いはご存知ですか?ぼた餅は春のお彼岸、おはぎは秋のお彼岸に供えて食べられる和菓子です。それぞれの季節に咲くお花の名前が元になっているらしいんですよ。
春のお彼岸は【牡丹】の花に見立てた「牡丹餅(ぼたもち)」を供えます。大きな牡丹の花に見立てて大きな丸形に作るんですよ。一方、秋のお彼岸では【萩(はぎ)】の花に見立てた「お萩(おはぎ)」を供えます。こちらは萩の花のように小さく、長めに作ります。
また、ぼたもちはこしあんを使って作られることが多いです。現在では季節を問わずおいしい小豆を食べることができますが、昔は秋から保存して皮が固くなってしまった小豆をおいしく食べるために、皮を取り除いてこしあんを使っていた時代があるのです。
怖いですねえ~ 怖いですねえ~ |